最初のペン粒用ラケットは「幻守」ー通称「スイカ ラケット」
10年前なので記憶が確かか?と言われると自信はありませんが、ラケットはあまり迷わなかったように思います。全国国公立卓球大会で何連覇もしている高知工科大学卓球部の名誉部員だった(勝手にそう称していた)ので、男子部員のドライブを止められるラケットとラバーにしたかった。これが条件でした。ちなみに、監督は世界選手権ダブルスチャンピオンだった濱田美穂教授でした。ただ、単に止まることをウリにしているラケットはプッシュの威力がなかったり、止まるけれど浮いてしまったりだったので、TIBARの幻守にしました。リンクのyoutubeのシーザーさん、懐かしい!グッチーさん、若い! TIBARとは言うもののWorld Rubber Market (WRM)が特注したラケットとのことです。7枚合板の攻守のバランスの良いラケットです。赤い板、緑と黒のストライプのグリップのため、「スイカ ラケット」の愛称で呼ばれています。
TIBAR幻守。スイカラケットの愛称がある。裏にラザンターR37を貼って、136.7g。
粒高ラバーの数々に目移りしたが約1年で「Super Wall」に固定した
TIBARの粒高ラバーGrass D’Tecsに合うラケットとのことでしたが、Grass D’Tecsだとオーバーミスが多いので、ラバーはいろいろ試しました。全てスポンジ無しの1枚ラバー(OXと呼ばれている)です。Curl P1やP3(TSP:現在はVICTAS)はそれぞれ良かったのですが、Dr.Neubauerナンバーワン (No,1)に目が行きました。「粒の魔術師 Dr.ノイバウア ラバーの極限までの変化はそのままに、前陣における安定性、その上、自分で回転まで作ってしまおう・・・ そんな欲張りな粒高プレーヤーの夢を叶えたのが、このラバー。」こんなコピーに参ってしまいました。実際パフォーマンスは良かったのですが。オールラウンドプレミアム(廃版:現在は「ALLROUND PREMIUM2」)が出て、恋の相手が変わりました。オールラウンドプレミアムでドライブを止めるととても低く返るので感激しました。しばらく使っていたのですが、「Super Wall」が出てこれに決めました。steadyの誕生です。「鉄壁ブロッカーのためのスーパーツブ高ラバー」というキャッチフレーズでしたが、結構フォアのスマッシュが入るのです。この「購入者感想1の「ツブウサギ」は私の投稿です。「意外だったのは、スマッシュが良く入り、スピードも十分だったこと。フルスイングしてもオーバーミスしないような飛ばないラバーとラケットなのが功を奏して、しっかり粒が倒れて安定したフラット打ちのスマッシュが入っていると考えている。」と書いています。ペン粒なのにスマッシュが入る。「超壁から槍が飛んでくる。矛盾だ!」と言われるようになりました。「へん粒」の芽生えです。裏面は当時最強の、バタフライのテナジー05特厚にしました。
ラケットを幻守から幻守Lに変えて「守備固め」
ボールがセルロイドからプラスティック(プラボール)に代わったことや、高知県代表として全日本卓球選手権マスターズの部(以後「全日本マスターズ」と略す)に出るようになって、「勝ちたい。ラケットを変えてみよう。」と思うようになりました。幻守から攻撃中心方向に変えれば「和の極み蒼」、守備強化の方向に向かえば「幻守L」が良いと考えました。試してみて、「幻守L」が気に入りました。プラボールの強打を止めるには、板が大きい(Large)幻守Lが良いのは確かです。ラケットが重くなるので、裏面には軽いラバー(ラザンターR37など)を貼りました。
左は幻守L、右は幻守(大きさ比較用に再掲)。幻守LにXIOM VEGAを貼って142.8g。この重さは2018年当時は気にならなかった。
「一生使える」丈夫な剛力を試してみたが・・・ 佐藤瞳や橋本帆乃香は凄すぎる
幻守も幻守Lもとても良いラケットでしたが、板がそれ程丈夫ではないので何とかならないかと考えました。ラバーを交換するときにラケットから木の筋がはがれてくることもあります。卓球台にぶつけてしまうとラケットの端が欠けることも多い。そんな悩みを抱えていた時、耳寄りな情報が届きました。王子サーブで有名な作間六郎さんがいかに剛力が丈夫かを以下のように語ったとの情報です。「カットマンの佐藤瞳は、しょっちゅうラケットを台にぶつけるので、月に1度変えていたそうです。しかし、剛力にしてからは、2年経っても丈夫で問題なく使えているそうです。最近はさらに重いラケットがいいと『剛力男子』に変えたそうですね。」卓球台より硬い。卓球台はたまったものではないですが、「これだ!」と思いました。当時は剛力中国式が無かったので、シェークの剛力を購入。Super WallやGras Dtecsを貼り、裏には軽いラバーを貼ったのですが、150g~160gにもなるので、か弱いローシックスティ選手が振ると肘を痛めると思い、使うのを断念しました。佐藤瞳も橋本帆乃香も剛力男子を使用してWTTファイナルズ福岡2024のダブルスで優勝するとは凄すぎます。
剛力シェークをペン粒で使用。裏面にミズノQ Quality1.7mmを貼っても156.6gになった。
2018年度の全日本マスターズは奇跡か実力か?
2018年度の全日本マスターズは、静岡県掛川市で開催されました。ハイシックスティ(65歳以上)です。4回目の全日本マスターズですが、それまでは3回の出場で1勝しただけで「参加することの意義」さえ疑問だと思いながらの出場でした。とは言え、師匠の吉田雄三さん(高知 ヨシダスポーツ)が、ゲームカウント0-2のカウント8-10から大逆転で「天敵」に勝つ試合を拝見し、マスターズ3連覇の瞬間にも立ち会えたことは素晴らしい経験でした。なにより、全国の猛者と話をしたり、プレーを見たり、試合の中で実感したりして、「全日本マスターズにはずっと出たい」と本当に思っていました。掛川の大会では高知から参加したM野さんが試合当日に練習相手になって下さり、どんどん調子が上がっていったので、あの厳しい吉田さんが「いけるんちゃうか」とおっしゃった程です。多分、「1勝ぐらいできる」という意味だったと思いますが。そうしたら、幻守LのSuper Wallで放つスマッシュが面白いように決まって2勝。決勝トーナメント進出が決まりました。決勝トーナメント1回戦では、北海道旭川の長尾さんに「打たされて」完敗しました。2019年度全日本マスターズは高知で開催でした。「引っ越すのを半年遅らせたら」とか、「住民票を移さなければ高知代表になれるんちゃうか」とか、引き留めて下さるかたも沢山いらっしゃいましたが、4月に東京に引っ越したので、高知大会出場はかないませんでした。東京では猛者、魑魅魍魎の皆さんが手ぐすね引いて待っていて下さったのでした。